ミレニアム開発目標2 普遍的な初等教育の達成(みれにあむかいはつもくひょう2)
■具体的目標
2015 年までに、すべての子どもたちが、男女の区別なく、初等教育の全課程を修了できるようにする。
『政治的な意志と重点的な投資により、小学校就学率は各地で上昇』
ほとんどすべての地域で、2006 年の純就学率は90%を超えており、普遍的初等教育をほぼ達成している国も多い。小学校就学年齢で学校に通っていない子どもの数は、この年齢層の人口自体が増えているにもかかわらず、1999 年の1 億300 万人から2006 年には7,300 万人へと減少した。この成果は、政府の政治的意志と、開発パートナーからの十分な支援があれば、多くが達成できることを物語っている。
しかし、サハラ以南アフリカでは、2000 年以来の目覚ましい躍進にもかかわらず、純就学率が最近になってよ
うやく71%に達したところである。この地域では、小学校就学年齢の子ども約3,800 万人が学校に通っていない。南アジアでも、就学率こそ90% を超えているが、小学校に通っていない子どもは1,800 万人以上いる。
『子どもたちの就学を阻む貧困』
貧しく、社会的に疎外されているため、通常であれば基礎教育をなかなか受けられない子どもたちに手を差し伸べることは、大きな課題である。40 カ国の調査データを見ると、32 カ国で都市部の出席率が農村部を上回っている。しかし、それよりも大きな決定要因となっているのが貧困である。サハラ以南アフリカでの調査では、都市部に暮らしているか、農村部に暮らしているかに関係なく、最貧世帯の子どもたちの出席率が最も低くなっていることがわかる。最も弱く、疎外された立場にいる子どもたちを就学させ、きちんと学校に通えるようにするためには、貧困世帯に対象を絞り、男女格差の解消を図る重点的プログラムの導入が必要である。
『教育の質は就学と同じく重要』
普遍的初等教育の達成が意味するところは、就学率100%以上のことである。学校に通うすべての子どもたちが、規則的に読み書き計算の能力を身につけ、予定どおりに小学校を修了できるような質の高い教育の必要性がこれには含まれている。例えばサハラ以南アフリカでは、中等教育就学年齢の子どもが中高校ではなく、小学校に通っているケースのほうが多い。それでも前進は見られている。開発途上国で初等教育を修了した子どもの割合は、1999 年の79%から2006 年には85%へと上昇した。すべての小学生が予定どおりに卒業できれば、それぞれの生徒が恩恵を受けられるだけでなく、対象年齢外の子どもを初等教育に抱える負担も小さくなる。そうなれば、将来の小学生のために使える資源が増え、目標の達成も一層近づいてこよう。
子どもたちがその潜在能力をいかんなく発揮し、各国が成長を遂げてゆくためには、普遍的な初等教育の達成に向けた進展を、中等教育のレベルでも実現しなければならない。現在のところ、開発途上国の中等教育就学年齢層で中高校に通っている子どもの割合は、54%である。オセアニアでは、中等教育就学年齢層のほぼ3 分の2 が就学していない。サハラ以南アフリカでは、中等教育就学年齢の子どものうち、中高校に通っているのは4 分の1 にすぎない。
<教育の機会さえ奪われがちな難民の子どもたち>
紛争や政情不安の影響を受ける子どもたちは、生活の秩序と表面上の落ち着きを最も必要としているにもかかわらず、十分な教育を受けられない可能性が最も高い。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、開発途上国には就学年齢の難民が150 万人いるが、そのほとんどは都市部やキャンプで暮らしている。27 カ国の難民キャンプ114 カ所に関するデータを見ると、全員が小学校に就学しているキャンプは10 カ所につき6 カ所にすぎず、難民の子どもの5 人に1 人以上が正規の教育制度に取り込まれていない。小学校への就学機会が不十分なキャンプの8 つに1 つでは、小学校就学年齢の子どもの半数以上が就学していない。特に女子の小学校中退率が高くなっているが、これは安全で質の高い学習環境の欠如、または、貧困や早婚によることが多い。就学率が70%以上のキャンプでは、男女間の就学格差がわずかながら縮まってきた。男子100 人当たりの女子就学者数は、2005 年の89 人から2007 年には91 人に増えている。
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