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ジフテリア(ジフテリア)

ジフテリア(diphtheria)は、ジフテリア菌( Corynebacterium diphtheriae )を病原体とするジフテリア毒素によって起こる上気道の粘膜感染症。

感染部位によって咽頭・扁桃ジフテリア、喉頭ジフテリア、鼻ジフテリア、 皮膚ジフテリア、 眼結膜ジフテリア、生殖器ジフテリアなどに分類できる。腎臓、脳、眼の結膜・中耳などがおかされることもあり、保菌者の咳などによって飛沫感染する。発症するのは10%程度で、他の90%には症状の出ない不顕性感染であるが、ワクチンにより予防可能で予防接種を受けていれば不顕性感染を起こさない。ジフテリア菌のすべてが毒素の産生をせず、ジフテリア毒素遺伝子を保有するバクテリオファージが感染した菌のみが、ジフテリア毒素を産生する。現在の日本ではジフテリア患者を診察した経験のある医師が殆どおらず、適切な診断を早期に行うことが困難な状況が生じつつある。

日本では、近縁菌のコリネバクテリウム ウルセランス (Corynebacterium ulcerans ) がジフテリア類似の症状を引き起こすことが、2001年から2006年までに5例報告されている。 C. ulcerans は、ウシ、ウマなどの動物の常在菌で、イヌ、ネコからも検出される。時にウシの乳房炎の原因となる。通常、 C. ulcerans は毒素を産生しないが、C. diphtheriae と同様に、バクテリオファージからもたらされる毒素遺伝子により、毒素生産性を持つと考えられる。英国などの国では、C. diphtheriae によるジフテリアと同等の扱いがされている。



■目次
1 臨床症状
2 予防
3 関連法令
4 その他



■臨床症状
*潜伏期間:通常1~10日間 2~5日が多い。
*症状:喉の痛み、犬がほえるような咳、筋力低下、激しい嘔吐などが起こる。
約39.5℃までの発熱
扁桃付近には粘りのある灰色の偽膜が付着。偽膜は厚く剥がれにくく剥がすと出血する。
喉頭部の腫脹や偽膜の拡大のため、しばしば気道がつまって息ができなくなることがあり、窒息死することもある。
神経麻痺、失明を起こすこともある。発症後 4~6週した回復期に心筋炎を発症することがあり、突然死に対する警戒が必要。
*治療:治療開始の遅れは回復の遅れや重篤な状態への移行につながるため、臨床的に疑いがある場合、確定診断を待たず早期に治療を開始する必要がある。
ジフテリア毒素に対するウマ由来の血清および、抗生物質としてペニシリン、エリスロマイシンなどが用いられる。
確定診断には、患者の喉の病変部位から原因菌を分離する。
予後:心筋炎を併発した場合の回復には時間がかかる。炎症を起こした心臓には負担が大きいので、日ごろの活動を早期に再開しないこと。



■予防
予防法は、ジフテリア毒素をホルマリン処理して無毒化したトキソイド(ワクチン)の接種。日本では三種混合ワクチン(DPTワクチン)、二種混合ワクチン(DTワクチン)に含まれている。定期接種の普及している国では症例は稀だがそうでない国では流行がある。また近年症例の報告されていない日本においても不顕性感染の経歴を示唆する血清検査結果もある。 日本では承認されていないが、5歳以上(成人用)の破傷風・ジフテリア混合 Tdワクチン(ジフテリアの抗原量が5歳以上用に調整されており、破傷風は一人前含有されている。国産DTを1/5量で摂取する際は、別途、破傷風トキソイドを受けることが推奨される)、11歳~55歳まで適応の、破傷風・ジフテリア・百日咳混合Tdapワクチンが、先進国を中心にほとんどの国で接種可能である。昨今の、ジフテリアや百日咳の発症例増加にともない、これらのワクチンの重要性は増す一方である。



■関連法令
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の2類感染症に指定されており、感染が確認されたら医師は速やかに保健所に届出する義務があり、拡散を防止するため状況に応じて隔離入院させる必要がある。無症状者の場合は入院の対象とならない。

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