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ミレニアム開発目標5 妊産婦の健康状態の改善(みれにあむかいはつもくひょう5)

■具体的目標
1990 年から2015 年までに、妊産婦の死亡率を4 分の3 引き下げる。

『サハラ以南アフリカと南アジアでは、妊産婦の死亡率が高止まり』
出生10 万人当たり妊産婦死亡率、2005 年妊産婦死亡率は開発途上地域の多くで容認しがたいほど高い状態が続いている。2005 年には、妊娠中、出産中または産後6 週間以内に50 万人以上の女性が命を失った。開発途上地域はこれら死者の99%を占めるが、サハラ以南アフリカと南アジアだけで、その86%を占めている。サハラ以南アフリカでは、女性が一生涯のうちに、治療または予防可能な妊娠・出産中の合併症で死亡する確率は22 分の1 であるが、これに対し、先進地域での確率は7,300 分の1 にすぎない。

『母親の救命はほとんど進展せず』
世界的に見て、妊産婦死亡率は1990 年から2005 年までに年1%足らずの低下しか見せておらず、目標達成に必要な年5.5%の低下にはるかに及ばない。北アフリカ、ラテンアメリカ・カリブ海および東アジアでは、この期間に妊産婦死亡率が約3 分の1 低下したが、これら地域での前進も、目標達成には不十分である。妊産婦死亡率が最も高いサハラ以南アフリカでは、ほとんど進展が見られなかった。目標を達成するためには、リプロダクティブ・ヘルスの全側面で改善を加速し、産科ケアの向上などを実現していくことが必要である。

『成果改善の鍵は、熟練医療従事者の出産立ち会い』
熟練医療従事者(医師、看護師または助産師)の立ち会いによる出産は、妊産婦死亡率の引き下げに欠かせない。2006 年、熟練医療従事者は開発途上地域での出産のうちほぼ61%に立ち会ったが、これは1990 年の50%未満と比べれば増えている。とはいえ、妊産婦の死者が最も多い南アジア(40%)とサハラ以南アフリカ(47%)では、この割合が依然として低い。妊産婦の死者を大幅に減らすためには、適切な訓練を受けた医療従事者による出産立ち会いや、合併症が生じた場合に備えるための適切な機材と医療機関紹介制度の導入を標準的な慣行としなければならない。

『産前ケアは各地で改善』
産前ケアは、妊婦と胎児双方の福祉を監視できる手段であり、出産とその後の母子保健にとって不可欠なセーフティ・ネットとなる。開発途上地域で少なくとも1 回、産前ケアを受けたことがある妊婦の割合は、1990 年代初頭の半数強から、10 年後には4 分の3 近くにまで上昇した。これは確かに改善ではあるが、世界保健機関WHO)と国連児童基金ユニセフ)は、少なくとも4回の産前ケアを推奨している。アフリカでは、このユニセフWHO基準を満たしている女性が42%にとどまっている。





■具体的目標
2015 年までに、リプロダクティブ・ヘルスの完全普及を達成する。

『未成年の妊娠は徐々に減少』
未成年の妊娠は、妊産婦の死亡によって幼児の死亡も増えるという悪循環を助長する。早すぎる妊娠は出産時の死亡リスクを高めるだけでなく、生き残った母親とその子どもの福祉も危険にさらすからである。若い母親は教育や社会経済的機会に恵まれないことが多い。未成年の母親が生んだ子どもは、乳幼児期に死亡する危険性が高く、しかも、教育を受けた母親から子どもに受け継がれることが実証されている恩恵を受けられないおそれが大きい。未成年の妊娠を減らせば、妊産婦の健康その他の目標達成に直接、間接に貢献できる。ほとんどすべての開発途上地域では、1990 年から2000年にかけて減少を見せた未成年の妊娠が、2000 年から
2005 年にかけて横ばいまたは微増となった。未成年の妊娠が特に多いサハラ以南アフリカでは、出産年齢の女性全体で出産率が依然として高い。ラテンアメリカ・カリブ海と東南アジアでは、合計特殊出生率が過去20 年間で大幅に低下した国々も多いが、未成年の妊娠はほとんど減っておらず、女性1,000 人に対する出産数が引き続き60 件を超えている。これら地域では、家族計画の普及が合計特殊出生率減少の主要因となっているが、未成年の既婚女性の避妊手段に対する需要は、成人女性ほど簡単に満たされていない。これによって、未成年の妊娠がなかなか減らず、若い母親が妊娠、出産中に死亡する危険性も高まっているのである。

『家族計画の必要性が満たされないことで、他の目標の達成も困難に』
家族計画の必要性の未充足度、すなわち、妊娠を遅らせるか、回避したいという女性の希望と、実際の避妊手段利用との間に見られる格差は、動向が把握できる国々のほとんどで減少している。しかし、サハラ以南アフリカでは、既婚女性のほぼ4 人に1 人につき、家族計画の必要性が満たされておらず、避妊手段の利用も平均して、妊娠を遅らせたいという欲求の高まりにほとんど追いついていない。こうした事情は、サハラ以南アフリカでの出産率の高止まりを助長しているだけでなく、幼児死亡率の引き下げ、飢餓と栄養不良の緩和、初等教育就学率の向上といった関連目標の達成も困難にしている。
どの地域を見ても、この必要性は最貧層世帯で最も充足されていない。ラテンアメリカ・カリブ海では、この傾向が最も顕著に表れており、家族計画の必要性が充足されていない割合は、最富裕層世帯の12%に比し、最貧総世帯では27%に及んでいる。サハラ以南アフリカに至っては、最富裕層世帯でさえ必要性が充足されない割合が高く、20%を超えている。
家族計画の必要性が充足されないケースは、多くは妊娠を遅らせたいと考えている若い女性の間でも、特に多くなっている。出産間隔が短いことで、その生命や健康に対する危険性も高まっている。
望むだけの子どもを出産した女性が避妊手段を利用できなければ、望まない妊娠、出産が起きることになる。これは妊産婦死亡の危険性を高めるだけでなく、家族が子ども全員の学校教育や医療を確保することも難しくしてしまう。

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