国際連合パレスチナ難民救済事業機関(こくさいれんごうなんみんきゅうさいじりょうきかん)
国際連合パレスチナ難民救済事業機関(United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East, UNRWA)はガザ地区、ヨルダン川西岸地区、ヨルダン、レバノン、シリアで400万人以上のパレスチナ難民に教育、保健、福祉、救急などの援助および人間開発を行う国際連合の事業機関である。
■概要
UNRWA は第一次中東戦争を受けた1949年12月8日の国際連合総会決議302 (IV) により設置された。この決議は国際連合総会決議194を補強するものでアラブ諸国、イスラエルの支持を受け反対なく(東側諸国および南アフリカは棄権)可決された。1950年5月から活動を開始し、パレスチナ問題に進展がみられないまま、権限が更新され続けた。2009年には、イスラエル軍のガザ侵攻による職員死亡を理由に、3日間人道援助活動を全面停止した。
UNRWA は難民が人道支援を受けられるように難民の地位の定義を変えるように取組んできた。受益者は避難前に2年間以上パレスチナに住んでおり、その家と生計を失った者とその子孫であることが必要とされる。1948年12月11日の国連総会決議194 (III) では帰還権や補償を受けるには適格性が求められるが、UNRWA によるものはそれより緩やかである。このため UNRWA の認定による難民は一般の定義の難民認定を受けるかもしれない。すべてのパレスチナ難民は UNRWA に登録され、支援が必要なものはサービス利用者となる。2004年時点で UNRWA の登録難民は400万人である。
UNRWA は59の認められた難民キャンプで援助を行っている。難民キャンプでは1952年までイスラエル領内の避難民にも援助が行われていた。難民キャンプは当初テント村だったものが外見では都市スラムかコンクリートの要塞か分からないものにまで発展した。難民の3分の1は難民キャンプに住む。UNRWA は認められた難民キャンプ外に住む多くの登録難民にも支援を提供している。あるキャンプが UNRWA に認められるにはUNRWAとホスト国政府の間でキャンプの使用に関する協定が必要となっている。UNRWA は自らで難民キャンプを運営せず、警察権や行政権を持たず、サービスのみを提供する。
UNRWA の批判者は UNRWA が刺激的な教科書を用い、過激派組織の成員を養うなどして非常に政治化されており故意に難民を国際社会の恒久的な病棟に変える役割を果たしていると主張する。
■組織と運営
UNRWA は国連機関の中でも最大の組織であり、25,000人の職員がいる。その内の99%はパレスチナ人の現地職員である[1]。本部はガザとアンマンに置かれている。
UNRWA の予算は年間数億米ドルであり、そのほとんどは支援国が拠出している。ごく一部が国連から提供される。2003年度は約4.38億ドルであり、最大は米国の1.34億ドル、次いで欧州委員会の94百万ドル、その他イギリスやスウェーデンなどが続く。
UNRWA は国連総会の補助機関であり、その権限は3年毎に更新される。
■活動
UNRWA の活動は教育、保健、救急、福祉であり、マイクロクレジット融資も行っている。
■教育
UNRWA は663の学校を運営しており、中東でも最大規模の学校システムとなっており、教師および支援職員は1,700人である。1950年以来パレスチナ難民への初等中等教育の主な提供者である。教育は UNRWA の最大の事業であり、予算の半分と職員の7割がこれにあたる。基礎教育は、15歳までに無料で全ての登録難民のこどもが受けることができる。2004年度の生徒は約50万人である。UNRWA のカリキュラムはホスト国のものに準拠している。これは UNRWA の生徒がホスト国の地元で成人教育や就職に進むことを可能にし、またホスト国の主権的な要求にも適うものである。
1960年代では UNRWA の学校はこの地域で最初に男女平等を達成した学校となった。40人から50人の過密な学級が一般的であり、UNRWA のほぼ全ての学校は二交代制である。全ての難民のこどもが UNRWA の学校に通う訳ではない。ヨルダンとシリアではこどもたちは住居に近いためにその国の学校に通う。UNRWA は合わせて約6,200人の学生を受入れる8つの職業・技術訓練所と3つの教員養成大学も運営している。
■救済、福祉
パレスチナ人の難民社会では男性の稼ぎ手のいない家庭は非常に弱い。未亡人、離婚女性、障害者の父を持つ家庭はおよそ貧困である。UNRWA は、これらの家族に食糧援助、資金援助と保護施設を提供する。
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