緑化(りょくか)
緑化(りょっか、りょくか)は、草や木を人の手によって植えること、あるいはそれらが育つような算段をすること。ある場所に植物を植栽育成管理すること。
目的は、緑による環境改善を図ることである場合が多く、「道路緑化」「工場緑化」「学校緑化」などと、対象施設と結びつけて呼ぶこともある。また、都心緑化フェアなどの催しや世界的に進む砂漠化をとどめるための緑化運動も行われている。
都市緑地法の規定に基づき用途地域が定められている都市計画区域内で、緑化の推進の必要があるとして、都市計画に敷地面積に対する緑地の割合(緑化率という)の最低限度を定めた地域を「緑化地域」とよんでいる。
住民参加の一形態で、啓蒙的な役割から一定の広がりのある地域に樹木や草花を育成管理することを、店舗者同士または居住者と公共用地管理者が合意する協定を「緑化協定」という。
公共団体が作成する緑の基本計画、再開発計画などのなかで、緑化、植栽の全体計画を策定したり、工場、学校、住宅地などの緑化、植栽計画は「緑化計画」と呼ばれる。
■概要
緑化は植林、植樹とも内容的に重なる部分があるが、植樹は往々にして単独の木を植えることを意味し、植林は有用樹種を一斉に植えて人工林を作ること、ひいては材木の生産を目的とする場合が多い。これに対して、緑化は、その場に植物が生長すること自体を目的とするものである。緑とはこの場合、植物の、あるいは植生の象徴である。
緑化は、内容的には大きく2つに分かれる。
一つめは、元来植物が生育していなかった場所、あるいは少なくとも最近しばらくは植物が生育していない場所に、様々な工夫をして植物が生育できるようにすることである。砂漠の緑化、砂丘の緑化などがこれに当たる。
この場合の緑化は、その地域の環境そのものを人間の生活により適したものに変えようとの意図がある。植物が生育するようになれば、農業も行いやすくなるし、うまくゆけば気候も和らぐ(地表面の温度上昇が抑えられる等)ことが期待できる。
この場合、もともと植物が育っていなかったのは、植物の成長を阻害する何等かの要因がそこにあるはずであるから、それに対する対処がまず必要になる。具体的には、水の補給法の確保や地表面の安定、砂の移動の制限などが行われる。
現在、日本の大都市圏で検討されている屋上緑化・壁面緑化も意味としてはこれに近いとも言える。
二つめは、人為的攪乱によって作られた裸地を植物で覆い隠すことを指す言葉である。
開発によって失われた自然を取り戻す意味で、20世紀後半から頻繁に行われるようになった。植物によって裸地を隠すことそのものは、もっと古くからおこなわれたものである。第二次世界大戦時には、陣地を掘り下げる際に出た土砂を隠すために、沖縄県や小笠原諸島ではギンネムが植えられたのはその例である。
ただし、緑化という言葉が使われるようになったのは、エコロジー運動が盛んになり、自然保護という言葉が認められるようになった後のことである。道路の周辺、のり面などがよくその対象となった。
しかし、その内容を具体的に見れば、必ずしも自然保護と合致するものとは言えない。特に初期には、とにかくすぐに緑になればよいと、成長の早い国外の植物が安易に使われる例が多く、帰化植物侵入の重要な経路の一つともなっていた。
もっと極端な例では、とにかく緑になればよいとて、緑色の塗料を吹き付けた例もある。
1990年代頃より、次第にどの点も改善され、国内の植物を利用する例も増え、たとえばハギなどが盛んに用いられるようになった。それでも地域変異を無視しているとの批判もあり、より詳細な対応が必要との意見もある。
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