難民(なんみん)
難民(なんみん、英:refugee)は、戦争、宗教や民族対立などの理由だけでなく天災や貧困、飢餓などの理由で住む場所を追われた人々を指す。しかし現在の国際法においては紛争や政府の弾圧など迫害を受けるものに対する救済の義務が立法化されているため、狭義の政治難民(political refugee)を難民と呼ぶ。
■目次
1 概説
1.1 日本の対応
■概説
「難民の地位に関する条約」の対象の難民は、「人種・宗教・国籍・政治的信条などが原因で、自国の政府から迫害を受ける恐れがあるために国外に逃れた者」とされている。これは政治難民と呼ばれる。しかし難民のもともとの定義は政治に限定されているわけではない。歴史的には天災、飢餓や伝染病、国内外の紛争から逃れるために住む場所を追われた者が難民もしくは流民(displaced person)の多数を占めた。これらの災害難民は多くの場合国内の別の地域に移動するため内部難民(internal refugee)などと呼ばれる。また近年では経済的貧困を逃れるための理由での難民も経済難民(economic refugee)と呼ばれる。1997年の時点で世界の難民は約2610万人とされている。国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2004年12月31日時点で世界の難民は923万6500人とされている。地域別ではアフリカが最大で全難民の30%が居住しており、次いでヨーロッパの25%である。難民認定を受けられないと保護が受けられない例も多く、狭義では認定を受けた者のみを難民と呼ぶ例もある。そのため法的地位として難民申請者(庇護希望者)、国内避難民(国内難民)などの呼び方がされる場合もある。
なお、亡命という語には政治的、信条的な理由により自主的に出国するという語感があるが、法的には難民と同じである。英語でも難民と同じく「refugee」と言うが、亡命の語感を生かす場合は「self exile」(自主的追放)を使う。
1951年7月28日にスイス・ジュネーヴにて行われた「難民及び無国籍者に関する国際連合全権会議」において難民の地位に関する条約(難民条約)が採択された。「難民法のマグナ・カルタ」と呼ばれる。難民の定義、難民保護のための行政措置、ノン・ルフルマンの原則(送致・送還の禁止の原則)が定められた。ただし、この条約は対象地域を欧州に限定することができ(しないこともできる)、さらに、対象となる難民も1951年1月1日前に発生したもののみに限定されていた。日本における法令番号は「昭和56年条約第21号」。
1967年1月31日に国際連合によって難民の地位に関する議定書(難民議定書)作成された。難民条約における対象地域の限定を原則解消し、対象難民の時限的限定を排除した。日本における法令番号は「昭和57年条約第1号」。
■日本の対応
1981年10月3日の難民条約加入(対象地域を欧州に限定しない旨宣言)、1982年1月1日の難民議定書加入(条約・議定書とも日本国における発効は1982年1月1日)を契機として、それまでの「出入国管理令」を題名も含めて大幅改正した「出入国管理及び難民認定法」(入管法)によって難民の認定手続等を定めている。しかし、入国管理当局の認定基準が非公開且つ厳格で、難民調査官及び法務大臣という法務省官吏のみが調査・認定権限を有し、他国、特に欧米諸国に比べ受入れ人数が少なすぎるという批判がある。
このため、2005年5月から、外部の学識経験者等(文化人、弁護士等を含む)が難民審査参与員として難民認定手続に関与する制度が導入されている。
一方で、山がちな地形が多いため人口に比して居住区域が少なく、歴史的にも他民族との積極的な関わりを殆ど持たなかった日本では、大量の難民を一気に受け入れるのは現実的に不可能との指摘もある。
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